浅倉 卓弥
『四日間の奇蹟』
(宝島社文庫)
「さいきん更新してない」という
つっこみをうけたので、さっそくしてみました。
さて、評価の難しい本ですねえ。
第1回「このミステリーがすごい」大賞とのことです。
確かにメイントリックは某人気作家の『○○』とおなじです。
それを言うなら、ひろしの大好きな『
六枚のとんかつ』だって『
占星術殺人事件』と同じだと先に作者が言っているし、『金田一少年の事件簿』にもある。
まあ、占星術殺人事件のほうが、もっと凝っているけどね。
そういう意味では、トリックが同じことはかまわない。
文書も面白いと思う。
でも、この間ひろしが主張していた、
「物語の主人公には何かハンデがないといけないのか」
「主人公は芸術家でないといけないのか」
(そんな主張はしていないけど、『冷静と情熱のあいだ』はそこも不満だ。)
ということに思いっきり引っかかります。
でも、あまり違和感がありません。何ででしょ?
これは、もう少しいろんな本を読まないとわかりませんな。
いままででひろしが犯した最も大きな勘違いは、
「ひろしはハードボイルドと古典的名作は読めない」
というものでした。
ひろしはミステリ好きですが、チャンドラーは2分で眠くなり、クリスティは読破したことがありません。
「これでミステリ好きを名乗ってはいかん!!」
と思っていました。
ところが、原尞は好きだし、新宿鮫も結構好き(全部読んでないけど)。
『
本陣殺人事件』も、
「おお、これが例の古典的名作とりっくかぁ!」
などと感動しながら読みましたし、鮎川哲也なんかも結構好きです。
『
りら荘事件』なんて、携帯電話さえなければ現代でも通用します。
(っていうか、古典は、携帯電話ひとつでトリックが崩れるものありますねえ。)
なんでなんじゃろ、とおもっていました。
ところが、森博嗣『
女王の百年密室』を読んだときに、誤解が解けました。
× 「ひろしはハードボイルドと古典的名作は読めない」
○ 「ひろしは登場人物がカタカナ名前の本は読めない」
森博嗣はだいすきなのに、これだけ読めなかった。そこで発見。
いや、よかったよかった。
『そして誰もいなくなった』も、佐藤さんと鈴木さんと高橋さんと田中さんと渡辺さんと伊藤さんと山本さんと中村さんと小林さんと斉藤さん(日本苗字ベスト10
ここより)の話にすれば、すんなり読めるのだね。
...でも、これでは真のミステリ好きにはなれないけど。